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非実力派宣言という逆説。野毛の出会いから始まった個展

オッす。オラ、ゲンタ!
春の空気が少しずつ夜にも滲んできて、街の温度がほんのり柔らかくなり桜も少しずつ色づき始めてきた出会いと別れの季節。そんなタイミングで、ひとつの個展を開催します。今回の展示はそんな「人との出会い」から始まった企画です。

野毛での出会いという始まり

今回の個展の作家、Drawing Boy「Yuki Yamaguchi」との出会いは、新宿ではなく横浜・野毛の飲み屋でした。その日、わたしは大人三人で夕方から飲み始めていたんですが、隣では昼から飲んでいた大学生三人組がちょうど会計のタイミングで、「おまえ何十円足りない」みたいな、なんとも締まらないやり取りをしていたんです。その空気が妙に面白くて、わたしはついこう言いました。

わたしが変わりに払ってやるから、いまから新宿来なさい。笑。

いま思えば凄く怖い話だよね~。笑。しかし、それがすべての始まりでした。その中にいたのが、Yukiです。笑。

Drawing Boy「Yuki Yamaguchi」という存在

その後、Yukiは系列店「Bar.軒先」で働くようになりました。いわゆるアーティスト志望というわけではなく、普通に働く大学生です。ただ、彼のInstagramを見たときに、明らかに引っかかるものがあったんだよね。上手い下手の話ではなく、「意思がある絵」だなぁ。と。

誰に評価されるためでもなく、ただ描き続けてきたもの。その中に、ちゃんとした温度や衝動が宿っている。

関連リンク:Bar.軒先(Instagram)
関連リンク:Drawing Boy Yuki(Instagram)

非実力派宣言という選択

今回のタイトル「非実力派宣言」は、わたしが命名しました。同世代の方ならお分かりの通り、森高千里の名作から取っています。アイドル的な評価への皮肉やセルフパロディとして名付けられたこの言葉は、「実力」という言葉そのものを揺さぶる力を持っています。

  • 展示タイトル:「非実力派宣言」
  • アーティスト名:Drawing Boy Yukiさん
  • 開催期間:2026年4月7日(火)~4月30日(火)
  • 営業時間:18:00~24:00
  • 定休日:月曜日
  • 入場料:無料(ただしワンドリンク制となります。)
  • 展示場:小さな小さな展示会場@新宿弐丁目横丁リズムバー2
  • 在廊日:2026年4月7日(火)30日(火)

最初は、Yuki自身も「個展をやるようなレベルじゃない」と言っていました。でも、だからこそこのタイトルなんです。それは逃げではなく、評価軸そのものに対する軽やかな反抗であり、同時に、自分の衝動を信じるという意思表示でもある。

関連リンク:Drawing Boy Yuki(Instagram)
関連リンク:非実力派宣言(出典)

Yukiが個展を引き受けた理由

そんなYukiが今回の個展を引き受けた理由は、とてもシンプルです。

趣味で描いてた絵を、誰かに評価してもらえる機会をせっかくいただいたので引き受けました。自分の描いてきたものが誰かの心に刺さればと思っています。

彼の性格も言葉も飾り気がなくて、でも真っ直ぐです。評価されるために描いてきたわけではないけれど、それでも誰かに届く可能性があるなら、そこに踏み出してみる。その距離感が、とてもいい!

絵に対するスタンスと衝動

彼にとって絵は、特別なものというより、ずっと側にあったものです。

物心つく前から絵が好きで描いていて、何か自分の中にある描きたいものを、描きたいときに描きたいだけ描くというスタンスでやってきました。ふとしたときに来る描きたい欲を満たすため、自分を満足させるために描いています。

誰かのためでもなく、正解のためでもなく、ただ自分の中に生まれた衝動を外に出すために描く。だからこそ、そこには嘘がないし、結果として人の心に触れる力になるのではないかと・・・。

いくつもの未来があっていい

Yukiは、まだ未来のある大学生です。将来の夢も、まだはっきり決まっているわけではない。でもそれでいいと思っています。大学で専攻している事を活かした職種に就くのも良い。バーの店員として生きるかもしれないし、店を持つ側になるかもしれない。もしかしたら絵を描き続けて、そっちの道に進むかもしれない。どれか一つに決める必要なんて、本当はない。学生のうちから、いくつもの選択肢を持っていていいし、その可能性はひとつに絞るものでもないと思っています。

今回の個展は、彼のためでもありますが、同時に「まだ決まっていない人間の可能性」を、少しだけ広げるための場であれば良いな。と常々考えております。

野毛で出会って、新宿に来て、バーで働いて、絵を描いて、個展をやる。そういう流れの中で、「こういう生き方もあるんだ」と思ってもらえたら、それだけで十分意味がある。学生時代のひとつの思い出としても、Yuki自身が、いつか振り返ったときに「やってよかった」と思える時間になっていれば、この展示は成功です。

ふらっと立ち寄り、お酒を飲みながら観てもらえたら十分です。その中で何か少しでも引っかかるものがあれば、それでこの展示は成功だと思っています。Yuki!良い展示会にしようゼっ意!

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